「i-modeの仕掛人」こと松永真理氏がこの3月にNTTdocomoを退社、女性専用ネット「eWoman」のエディトリアルディレクターに就任することになった。
松永氏は「女性の発想」によってi-modeを大成功に導いたわけだが、今度は女性をターゲットに据えたe-zineで腕を振るうことになったわけである。
しかし、役員に就任する気はないようで、社長を務めるもとCBSキャスターの佐々木かをり氏を助ける人寄せパンダに徹するようである。
提携企業は現在10社、NTTコミュニケーションズ、ニフティ、IBM、ベネッセコーポレーションなどそうそうたる企業が名を連ね、資本金はすでに6億をこえる。
「女性のための○○」というのは決して新しいコンセプトではないし、女人禁制の逆を行くだけの児戯にも劣る発想に思えるのだが、戦略としては「女の発想」というのは高齢の役員がはびこる企業から見ると常に新鮮に映るもののようで、「女の武器」と同等の資産価値があるわけである。
「女性の発想」をシステマティックに引き出すことができるかということに企業が知恵を絞る時代であるという状況分析と、ネットを組み合わせるというのも決して新しいものではないが、そこへベストタイミングで「i-modeの仕掛人」を連れて来た辺りには社長の経営手腕に光るものを感じる。
ビジネスモデルとしては、マーケティングデータの収集とデータマイニングによる解析を行うC2Bモデルだろうが、これをあらためてB2Cへと展開していくことを目的とした企業のニーズに応えることができるかどうかだろう。
女性であろうが男性であろうが、ニーズもシーズもロジックに裏付けられたものではなく、その時の気分に過ぎないものが大部分を占める。
現にi-modeの成功は、アイデアもさることながらそれを戦略的経営判断に基づき意思決定して実行した企業の偉さにあるのである。
「女性の発想を、役員会という男性の意思決定に活かすためのシステムづくり」がいかなる展開を見せるか、9月のスタートを楽しみにしたい。
eWoman→http://www.ewoman.co.jp/
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