2007年4月8日日曜日

vol.18究極のC2C 2000/07/01

ネットを使用して只で音楽が聴ける。それがナップスターである。

そのダウンロードソフトが開発されて10ヶ月で1000万人が利用したという。さらに驚くのは、このソフトを開発したのは19才の青年である。

日本ではやっとソニーなどが音楽配信を実験的に始めたばかりだというのに、すでにアメリカではその先の世界に行ってしまったわけである。

現在、音楽ダウンロードソフトはMP3と呼ばれるものがスタンダードになっているが、日本の場合1曲20分程度の時間がかかることもあってまだ普及しているとは言えない。

三井物産がADSLの普及に本格的に取り組むことを表明したので、ISDNの10倍程度の通信速度(下りのみ640k/bps)で月額通信料込みで5000円程度の料金設定を確保できる見通しが立ち、音楽配信のメドが立った矢先のことである。

ナップスターの利用方法は実に簡単。HP(http://www.napster.com/)にアクセスし、自分の音楽ファイルを登録。自分が聴きたい曲名を入力すれば自動的にダウンロードされる。勿論自分が登録した曲も誰かがダウンロードすることになる。つまり「ネット上の物々交換市場」がナップスターというわけである。

最近では「発売前の曲」までが「物々交換」されたという事件までが起こっているというから驚きである。

慌てたのはアメリカレコード協会(RIAA)で、著作権の侵害に当たるとしてナップスターを提訴。ナップスター側は、「友人同士のCDの貸し借りと同様」として著作権の侵害には当たらないとしている。

さて、これは究極のC2Cだと思うが、C2Cであってもオークションのような形態をとりながら手数料という形の利益を出して行かざるを得ないと思うが、ナップスターはどうやって利益を出していくのだろうか?

広告収入に頼るという方法は残されているだろう。しかし、そのような「古典的なビジネス」を標榜することはないのではないかとも思える。

現状は只であることがナップスターの言い分を合理化しているのだが、もしダウンロードごとに課金することになればRIAAの言い分が通るかも知れない。ビジネスしていないものがビジネス界に多大な損失を与えるというこの現実にアメリカ法務局はどう対処するのだろうか?

20世紀のビジネス対21世紀のビジネスの相克図がこれから展開されていくことになる。

ソウダヒロシ プロフィール CONTACT

※直近のブログは→ITトレンド2010

※食い物系のブログは→今日のメニュー2010

※環境系のブログは→環境トレンド2010

※進行中プロジェクトのブログは→リンクアド・プロジェクト公式ブログ

0 件のコメント: