2007年2月19日月曜日

vol.9 ジャパニーズスタンダード 2000/05/05

インターネットのデータ通信方式としてADSLが急浮上してきた。
これは郵政省が、アメリカのネット接続料値下げ要求を受けて、昨年から実験していた新方式を繰り上げ導入することにしたのではないかと思われる。

ADSL(アシンクロナス・デジタル・サブスクライバー・ライン=非対称デジタル加入者線)は、通常の電話回線を使用するにもかかわらず、640Kbpsを実現する新技術である。つまり、現在のISDNの10倍のスピードでの通信が可能なのである。

そんな技術があるのなら、どうしてさっさと導入しないんだ!という消費者の気持ちなどお構い無しに事を運ぶのが官庁というわけだから仕方がないにしても、やっと6月にISDNの定額制がスタートするというのに、ADSLもほぼ同時に導入すると郵政省はいう。

こうなると戦略も何もあったものではないのだが、すでに尻に火がついているということなのだろう。こういう見境のない決断をするところも、官僚というのがいかにご都合主義の連中たちかというのが良く分かる。

ADSLは電話交換機を通さないで運用される。さらにダウンが640Kbps、アップが200Kbpsという非対称の実効スピードで運営される。実は、ADSLというのは「電話交換機を通さない」というところにハイスピード実現のポイントがあり、NTTによる回線の独占を放棄させることで実現した技術なのである。

しかし、次世代通信インフラに1Mbps以上の通信速度が要求されていることを考えると、これもまたその場しのぎでしかないことは見え見え。光ファイバーを各家庭に引き込むというのが抜本的解決策であることは分かり切っているのだから、ここはすべてのODAを中止してでも取り組まなければならない国家インフラであるはずなのだが。

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