2007年2月18日日曜日

vol.8 ブルーウィーク 2000/05/03

ゴールデンウィークということである。(昔は「飛び石連休」と言っていた)
毎年この期間については疑問に思うことがある。3日が憲法記念日、5日が子供の日というのはいいのだが、間の4日の「国民の休日」というのが納得できない。(もう一つ、昭和天皇の誕生日が祭日というのも)

間に挟まった平日を「めんどうくせー、休みにしちまえ!」というのが「国民の休日」というのが何とも乱暴なのである。実はこれはILO向けの年間労働時間を達成するための辻褄合わせの「強制休日」なのだが、「国民の休日」である以上、「非国民」にとっては休日ではないのだろう。

今日も非国民である「楽天市場」と小説家村上龍が編集長をやっているメイルマガジン「JMM」からメイルが届いた。ネットは24時間365日営業なので全く驚くに値しないのだが、ネット非国民はY2K問題での恨みをはらさんと海外に出かけ、大企業はあいも変わらず9連休をむさぼっている。

そもそもリクリエーションというのは労働再生産という日本語なので、ブルーカラーが英気を養うために実施されるものであるから決してそれを否定するものではないが、1年でも最も過ごしやすい気候の5月に宗教行事でもないのに1週間以上休むという習慣を持っているのは、世界広しといえども我が国くらいなものである。(年間の祭日、日曜日をまとめると2ヶ月くらいになるので、年2回1ヶ月ずつ休む方がリクリエーションとしては効果的だと思う)

国民皆ネット制が世界の趨勢になろうとしているのに、20世紀の遺物のようなライフスタイルを引きずっているブルーカラーのライフスタイルというのはアナクロニズムの極地、毎年ブルーな気分にさせられるのはわたしだけだろうか。

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2007年2月17日土曜日

vol.7 ビットバレーの現状 2000/05/01

渋谷界隈に集積しつつあるアントレプレナーたちは大別して3つの世代から構成されている。
それは20代、30代、40代である。20代は学生起業家を含む世代であり、30代は脱サラ組であり、40代は既存事業からの参入組である。

また、こうも言える。20代は学生時代にネットの可能性に出会った人々であり、30代はネットで一山当てようと起業した人々であり、40代はネットの普及に腐心している人々である、と。
さて、玉石混交のビットバレーの住人たちであるが、わたしは30代の人々の起業家たちに危うさを覚える。彼らの親たちは我が国におけるバブルの功罪をまともに被った人々であり、それを見て育ったバブル2世たちだからである。

30代の人々が、20代、40代の初々しくも愚直なネット信仰に比べ、土地に代わる資産としての価値をネットに求めていることがありありと窺えるのは、「値段を釣り上げておいて売る」ために会社を作るという行為の中に見ることができる。

ハイタッチなものであろうがロータッチなものであろうが、所詮、それは人間に対して供給されて初めて意味を持つものである。この部分が欠落してしまうと一体どうなるのか?
VCからの融資を受けることにより資金集めが簡単に行える→だから会社を作る→もっと資金を集めるためにIPOする→集まった金で会社をまた作る→作った会社で金を集める→集めた金で会社を買収する・・・。

これはいつか来た道と変わるところがない。ネットバブルを弾けさせることのないように、本当の意味でのIT革命を望みたいものである。

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2007年2月16日金曜日

vol.6 ネットバブルの実体 2000/04/27

ネットバブルであるということである。何がそうかというと、ネット関連やIT関連のベンチャー企業という全く正体の分からない業界にだけ金が集まっているからだということである。

バブルという言葉は土地神話全盛の頃の言葉で、土地という実体のあるものに対してその実体の価値以上の価値を付加していって最後にパンクしてしまったことから生まれた言葉である。しかし経済と言うのは、投資家が投資先を常に求めるようにバブルを求めるものである。

で、次の投資先としてネットやITやというものが浮上してきただけのことで、このこと自体は驚くに値しない。驚くべきは、全く儲かっていない企業や、これから儲けようと思っている企業(まだ企業ですらないものも含む)に金が集まっていることである。

もちろん、将来性や期待値に対しての投資なのだろうが、企業と言うものの持つ社会性や永続性という要素は投資の判断基準として全くと言っていいほど加味されていない。従って、投資というよりも投機であり、先物取り引きと同じマネーゲームなのである。こうした認識のもとに、欧米では常識の「高く売るため会社を立ち上げる」起業家が日本でも誕生し始めていることは喜ばしいことである。

だが、ベンチャー企業の経営者の中にも自分独自のコンセプトを実現して社会性を獲得したいと思っているまともな少数派(?)もいるわけで、こういうものがこつこと畑を耕しているうちに気が付くと周りを牧場にされてしまっていたというような危険と背中合わせの状況であることも疑う余地のないところである。とまれ、ネットバブルというものに実体があるとするならば、「ネットの実体を理解することの出来ない投機家が、実体のない金を注ぎ込んでいる」というのが穿った見方ではないだろうか。

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2007年2月15日木曜日

vol.5 パーミッションマーケティングのギミック 2000/04/20

パーミッションマーケティングが大はやりである。HP閲覧の軌跡を追跡してDB化し、データマイニングによって個人個人のニーズに合った情報をフィードバックしようということのようである。

これはかつては市場調査でも行われていた古典的KJ法と何ら変わるところはない。回答をふるいにかけるスクリーニングという部分をクッキー機能に置き換えただけのことで、そうであるがゆえになおさら始末が悪い。

なぜかというと、マーケッターなら誰でも知っていることだが、消費者というのは必ず嘘をつく生き物であり、自分で書いたアンケートの中には必ず嘘が混じっている、という事実である。これは、「日本人の8割が自分の事を中流と思っている」という奇妙な意識調査の結果によっても証明されているところである。勿論これは、上流、中流、下流、などという抽象的な選択肢の中から選ばせるという理由にもよるが、この嘘に対してバイアスをかけるという作業が欠如していることが大きい。

バイアスをかけずに、回答を鵜呑みにして次の策略を仕掛けるというのがいかに無謀なことかというのはほんの少しの想像力があれば分かることなのに、なぜこんなことが今さら注目されるのかというと、やはりアクセス数至上主義の影響で、10より1000は信頼できるという「サンプル数至上主義=DB至上主義」が復活(台頭?)してきたことを意味しているのだろう。

1度旨いというと、何度も同じおかずを作り続ける新妻のような愚直なマーケティングがいつまでも続かないことを願いたいものである。

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2007年2月13日火曜日

vol.4 銀行再編の時代錯誤 2000/04/19

最初からそうすればいいのにと思うような最近の銀行再編劇であるが、何のことはない、良く見ると江戸時代そのままの旧財閥系の銀行に収斂していっただけのことで、お粗末きわまりない。

フランス革命(1789年)当時でさえアンシャン・レジーム(旧体制)打倒を旗印にしたというのに、あれから200年以上経っても「旧体制維持!」を旗印にしているのだからお寒い限りである。
時代は今やネット銀行に向かい、携帯端末で決済する時代だと言うのに、今後、合併後の支店の統廃合と行員のリストラにやっきとならざるを得ないのだから見放されてしかるべきだろう。

これに引き換え、シティバンク(預金残高30万円を切ると口座維持費が毎月1万円請求されてくるので
わたしはこの銀行は嫌いだが)などは顧客数10億を目指しているというのだからいくら合併しても追い付きっこない。

ネット銀行の決済はネット上で行われるわけだから、支店も行員も巨大なビルも全く不要で、いつでもどこでも安全かつスピーディな決済機能だけが銀行に求められる全てなのである。

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2007年2月12日月曜日

vol.3 アンダーセンコンサルティングの押し売り 2000/04/18

今日の日経新聞の朝刊によると、アンダーセンコンサルティング(この会社はEC関係のコンサルを積極的に行っている。1時間のコンサルで20万円~50万円という。わたしもネット試験を受けたが年令制限で落ちた経験がある)が上場前のヴェンチャー企業に対して6ヶ月間という制限付きながら、無償でコンサルを行うだけでなく、VCを紹介したりして会社をあげて育成を図るという。

見事軌道に乗った場合には、顧客として有料のコンサル料を受け取ったり、上場時の株をコンサル料として受け取ったりするという。ここまで来たか!という感を強くする記事である。
早い時期から可能性のありそうな企業に目を付ける、というならまだ分かるが、「可能性のある企業に育て、そこから絞り取る」という発想は流石に牧畜民族らしい。種を植え、後は運を天に任せて稔りを待つ、という農耕民族とは明らかに違う。

アイデアと先行者利益の第1次EC時代は早くも終わりを告げ、大企業のEC参入を尻目にヴェンチャーを育成していくことのメリットというのがあると踏んだからこその意志表示であろうから、そこに横たわる既存大企業の抱える「戦後処理」に費やさざるを得ない労力と時間の膨大さに改めて気づかされるわけである。

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2007年2月11日日曜日

vol.2 松下電器のネット通販参入 2000/04/17

4月11日、ソニーの後を追うようにして松下電器がネット通販に参入することを表明した。
ところが、この2社には既存流通網に関して大きな違いがある。松下自身このことは十分に意識しての物流政策が講じられているのだが、この政策を飲む販売店がいるのだろうか?

ネット通販参入に当たってのソニーの政策は、単に「ネット価格と店頭価格は同一」という明解なものであったが、松下のそれは、2万軒の「販売店をコンビニ化する」というものである。すなわち、物流のデポとして販売店に生き残りのチャンスを与えようというものである。

だが、この方法は先のvol.1でも指摘しておいた通り、過渡期の時代錯誤の方法であり、急速に消滅していくものである。

流通の中抜きがネットの最大の特長であるわけで、しかも自宅のゲーム機やテレビで注文ができる時代に、わざわざ販売店に出向く人がいるとは思わない。意識のある販売店ならメーカーにぶら下がらずに転廃業を考えるだろうから、むしろ、地域のコミュニティセンターの役割を持たせることを考えた方がいいだろうし、それを支援してショールーム化を図るようなことを考えた方がいいだろう。要は物流の前線基地から情報収集の前線基地への転換が急務なわけで、そのことは織り込み済みの参入宣言であることを祈りたい。

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