2007年10月28日日曜日

vol.53 CRM実況中継その2「リーガロイヤルホテル編(3)」2001/03/23

2001/03/22
前略 昨日早稲田の○○さんから電話があり、「会社の都合」で「東京支店」では対応できない旨、ご連絡をいただきました。

わたしがお尋ねしているのは、「どうして、日本全国同一のサービスを享受できないのか」ということです。この問いに対する回答をなおざりにして、支店長に頭を下げさせてお茶を濁すというのが納得できません。

あらためて、お尋ねいたします。「どうして、東京では大阪と同じにスモークチキンを1つだけ買うことができないのですか」?

○○さんの顔を立てて、4・10に大阪から入荷するスモークチキンは1つ予約しましたが、気の長い話です。さっさと1つ宅急便で送ってロイヤリティ(忠誠心)を獲 得する、そして、1個分の料金を徴収する、というのが大阪的気配りだと思います が・・・・。

この間のやりとりは、以下のような様式で、メルマガとして500名の方に送付されています。また、Web上のBBSでもお読みいただけます。みんな楽しみにレスを お待ちしております。
ソウダヒロシ


2001/03/22
ソウダ ヒロシ様  

謹啓 時下益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。

平素はリーガロイヤルホテルグループをご愛顧賜り有難うございます。

この度は、リーガ早稲田のスモーク製品ご購入に際しましては、何かとご不便、ご不快をおかけ致しましたこと、お詫び申し上げます。  

私はロイヤルホテルお客様サービス推進室長の ○○と申します。折角、リーガ早稲田にご用命賜りましたにも拘りませず、スモークチキン単品販売に対応できず、申し訳ございません。

スモーク製品は大阪のホテル内で製造し販売いたしておりますが、グループホテルの大半は予約販売とさせていただいております。

その理由としては、当方の事情ではありますが   

①賞味期限が防腐剤を使っていず短いため(製造日から20日間)安全上、日常販売品の扱いは近距離の関西エリアに限定。   
②商品衛生上、味覚保持のため冷蔵(10℃以下)にて製造しており、販売は冷蔵ショーケースや配送に注意が必要。   
③4年前に少量を取り扱いましたが、販売数が低く採算上困難となり、販売休止とした。

以上のことからでございます。

グループホテルとして、お客様のご要望にお答えし、ご満足を賜ることは、私共もっとも心掛けておることでございますが、サービスの質は各グループホテル同一を目指しておりますが、販売商品につきましては各ホテルの規模や地域特性により、それぞれ異なっておりますことを何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。  

今後ともグループ同一のサービスを提供できますよう種々改善に努力いたしてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。  

尚、今回のスモークチキンにつきましては、リーガ早稲田で 4月10日にご注文を承っておりますが、大阪からご自宅へも 随時発送を承っておりロイヤルホテルホテル製品事業部あてに午後5時までにご注文いただけますれば翌日ご指定 時間にお届け申し上げますが、誠に勝手ながら商品代1100円に 加えクール便代900円(別途消費税)のご負担をおかけすることと なります。  

いろいろご不便・ご迷惑をおかけいたした上、ご連絡が遅くなり 申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。                                    
以上


2001/03/22
○○様 ご丁寧なお返事ありがとうございます。

やっと納得することができました。ここに到るまでに費やした時間は48時間です。

これはまずまずの対応といえましょう。しかしながら、こういったごく当然の回答を引出すのに大変な労力を強いるもであることも証明されました。

「納得のいく説明」。これは顧客が常に求めるものであり、しかも急を要するものです。 最初から今回のお返事があったなら、「不快感」は軽減していたに違いありません。

1顧客のいうことにはおざなりで、500人という団体には腰砕けになる。こういう ことではご都合主義といわれても致し方ありますまい。

>ホテル製品事業部あてに午後5時までにご注文いただけますれば翌日ご指定時間にお届け申し上げますが、誠に勝手ながら商品代1100円に加えクール便代900円 (別途消費税)のご負担をおかけすることとなります。

これが最も知りたかったことであり、それ以外のくだらない話は「無駄」だったのです。わたしのニーズはまさにここにあります。

さて、では、明日午前9時にサンシャインシティプリンスホテル3708号室ソウダ ヒロシまで代引きで1個送ってください。明日の夜には一杯やれますからね。
170-6048 東京都豊島区東池袋3-1-5 電話:03-3988-111 1 ソウダヒロシ

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2007年10月21日日曜日

vol.52 CRM実況中継その2「リーガロイヤルホテル編(2)」2001/03/22

2001/03/21
ソウダ様
>昨日メールをお送りさせていただきましたが、下記の通りの状況が判明致しましたので、ご報告並びにご提案申し上げます。
>不定期的ではございますが、本社より保冷便が 送られてまいりますので、宜しければ予めご連絡を頂きますれば、送料不要で取り寄せいたすことができますので、お申し付け下さいませ。次回の予定は、4月10日前後になると存じます。

スモークチキンのみでもOKなんでしょうか?

>また昨日の私からのメールに関しましては、馴れないとは言え誤字脱字がありお詫び申し上げます。

○○様 即レスありがとうございます。中之島からはまだレスなしで情けないことです。 まず、「わたしが一体何者なのか調べるのが先」なのでしょう。こういうのは、客の足元を見るといいます。
言われているクレームに即レスを返す。これがCRMの原点であり鉄則です。雪印の破綻はここから始まったのです・・・・。

> 弊ホテルでは販売用の専用ショーケースの用意もなくスモーク製品の販売体制が出来ておらず基本的に販売致して居りません。ただギフト用に2種類の詰め合わせを各1個ご用意しているのが現状でございます。

はい。そういうふうに受け賜わっております。

> 現在のところ、お買い上げ頂く方法と致しましては、ご不便お掛けいたしますことを承知でご案内致しますと本社よりクール宅急便(有料¥900.-但し¥5.000.-以上ご注文の際は送料ホテル負担)にてお送りさせて戴いただく方法がございます。

そんな面倒なことをせずに妻に中之島までいって買って送らせる方が早いのでやめときます。要は、そういったサービス=本店と同一のサービスがおこなわれないのは何故なのか?ということが先のメイルの問いであるわけです。

これは、CI(Corporate Identity)上からもCRM(Customer Relationship Management)上からも極めて重要であり、とりわけ海外のホテルのサービスとしてはマストの要素となっています。大阪東京という距離、冷蔵冷凍庫という設備、標準 化されたサービス、いずれもクリアする気があれば可能です。カスタマー本位に考える経営コンセプトがあれば。

「早稲田は元リーガなのでロイヤルのサービスは提供で きません」というふうにわたしには聞えましたが・・・・・・。
ソウダヒロシ

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2007年10月8日月曜日

vol.51 CRM実況中継その2「リーガロイヤルホテル編」 2001/03/20  

2001・03・19
前略
今年より池袋サンシャインに単身赴任で来ておりプリンスとサンシャイン60を行っ たり来たりの毎日。

あまりに池袋は不味すぎる・・・・・。 ふとロイヤルが近くにあることを思い出して、「懐かしい味」スモークチキンで一杯と思い、昨日、都電荒川線で早稲田までリーガロイヤルホテルのスモークチキンを買いに行ったのだが、なんとセットでしか販売していなくて5000円ですと。

大阪中之島では1つ800円程度で売っているのに、なんとも情けないことである。セットをばらして売るように言ったがダメとのこと。

阪急の食堂は「未来の顧客」である学生を優遇して安いメニューを置き、ファン作りにつとめたとか。せっかく隣に早稲田という超名門校がありながらもったいないこと である。

こういう将来を見る目がないとロイヤルホテルの将来もないということになる。(実際、リーガに買収された)

目と鼻の先の椿山荘との差別化を図るためにも、こまめなCRMで対応してほしいものである。

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2007年9月30日日曜日

vol.50 NTTさん、しつこいんじゃないですか? 2001/02/02

この話題にはもううんざりで書きたくはないのだが、また通信インフラの話題である。

NTT東西が光ファイバーと無線を使ったネットワークを模索。2002年度には実用化するそうである。

光ファイバーは、家庭までのラスト1マイルをいかに安価に接続するかというのがテーマになっていたわけだが、これを無線によって解決しようというわけである。

光ケーブルは現在宝の持ち腐れ状態にあるわけで、これはこれで意味のあることには違いないし、資産として活用していけるわけだから目出たいことである。

無線を活用したネットワークというのは家電メーカーが推進しているブルートゥースと競合する技術になるわけだが、こちらは36Mbpsというとんでもない高性能であるらしい。 NTT法によってネット参入を阻まれているNTT東西としては、必死に生き残りの活路を見い出そうとしているわけで同情できなくもない。

しかし、これによって、いかにNTTがADSLをやりたくないかということも証明された。光をやりたいんですよね、NTTさん。

ところが、同じNTTが言い出した、家庭電話のi-mode版である、L-modeということになると大きな「?」がつく。家庭の固定電話を使ってi-modeと同様のネット接続サービスをやろうというこのサービス、一体ユーザーメリットを考えているのかという疑問が湧いてくる。

現在料金表示などに使われている液晶画面を改良した新機種が必要になるようだが、いくら携帯と比べて大きいといっても知れている。この画面サイズはPDAのサイズだし、表示できるコンテンツも別途必要になってくる。誰が使うの?と思うのだが、「パソコンに不馴れな主婦や高齢者」が対象であるそうである。

苦しい。いかにも苦しい。「ネット参入のためにはなりふり構わずですよ」。そういいなさい、NTTさん。 しかし一方、頼みの綱のADSLの方はというと、「モデムの規格化を2月には行う」そうである。今頃こんなことを言ってるのか!モデムがなきゃ通信できないじゃないか!1月から開始するんじゃなかったのか!おい、総務省!! やるやるという話ばかりで、実体は何も変わっていない。本当に情けないくらいの牛歩の歩みである。

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2007年9月24日月曜日

vol.49 新しい出版 2001/01/25

WEB出版ということをやりはじめるところが出てきた。

WEBに載せるということは、WEBという大海に小瓶に手紙を詰めて放り込むようなものである。

1997年に自分のWEBを持って3年、ぽつぽつとどなたかが来ては読んでいっては去っていくような状況が続いていた。

実は、その頃すでに少額課金が実現するようなことを言ってたので、1回100円程度で「販売」してやろうと思っていたのである。

ところがご存じのように、ブロードバンド化と似たようなスピードで、ビットキャッシュもいつのことだか分からない状態である。

そして昨年末、ドリームブッククラブという名前だけはひどく分かりやすいが、中身は訳の分からないところから「公開」の依頼。

公開も何も、はなっから公開してたのであるから、「?」という感じ。聞けば、PDFでダウンロードして貰うという。

はは~これで金をとるのか、と思ったらそうではなくて、「本」を作るという。しかも「投票制」でという。

面白いことにわたしは某家電メーカーで、WEBで新商品を開発する仕事をやったことがあって、この発想にまんまと乗せられてしまった。いや、むしろ、積極的に乗ってみたのである。

結果、「本」になることになり、現在版組が進んでいる。こうなってくると、ちょっと面白い。 WEBで、すでに全文を読んでいるのに「本」がほしくなるのか?という問いに対する解答がこれだからである。

この5年程の間に、WEBはメディアからツールへと変わった。 WEBをツール化することでリアルへと回帰するのである。この流れをそっくりそのまま体現しようというのがドリームブッククラブである。

さらに今度は「本」という実体があるわけで、ここからWEBというヴァーチャルへともう一度回帰させる仕掛けが必要だろう。これがインタラクションということであるから。

そしてまたリアルへ・・・・・。R2V to V2R、RVRである。ヴァーチャルとリアルの無限のインタラクション。こういうものが実現できれば「新しい出版」が出現したと言えるだろう。

現在の出版社の作品集めの常套手段は新人賞である。これは公募形式による。予め編集者が選別したものをその出版社子飼いの作家4~5人の合議制により新人賞は決定する。これによって、まず1作は出版される。しかし、その後々までも作品を書き続けることができるのは数える程しかいない。

審査員作家に見る目がないのである。出版社がすぐ金になる作家を選ぶからである。 ドリームブッククラブが、この旧体制に対するカウンターカルチャー足りうるかどうかはこれからであるが、eマーケティング的見地からすると、成立していると確信できる手法である。

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2007年9月17日月曜日

vol.48 M2M to W2W 2001/01/15

いよいよB2Bサイトがメガモール化の様相を呈してきた。

各業界のサイトであるB2Bサイト同士が連携に向かっているのである。異なったマーケットとマーケットの連携であることから、これをM2Mと呼んでいる。

そして、この先に待っているのはギガモール化の方向であり、各国のM2Mが連携することによって出現するW2W、World to World サイトである。これによっていよいよ現実の国境が消失することなるわけである。

ところが、ここにはシステム的な標準化や関税の問題、政治体制の問題など以上の問題が横たわっている。言語障壁である。

B2Bレベルの部品や原材料等の商取り引きでは英語が標準となっていくことだろうが、文化レベルの商取り引きの場合、どうしても自国言語でなければ伝えきれないものがある。他国語にはない言葉すら存在している。

こうなってくると、完全なる翻訳ソフトの開発が不可欠ということになるのだが、現状ではお寒い限りである。

翻訳というのは、他言語に置き換える作業ではない。他言語で思考する作業である。そしてさらにより理解されやすい単語を選択していく作業が不可欠である。つまり、「こなれた訳」でないとその国の人々には違和感を与えるだけで理解されることはない。そればかりか不要な誤解をされてしまう恐れすらある。

W2WのレベルまでWEBの連携が進めば、言語自体もそのレベルで飛び交うことになるわけだから、WEB上に自動翻訳ソフトを載せることは可能であろう。

例えば、まず各国で自国語を英語にする作業を行う。その英語を仲介役にして、各国語に訳していく作業を行うようなソフトの開発が急務だろう。

現在のソフトは、「対訳的機能」が中心だが、実はその内容を理解するには「大約的機能」こそが重要なのである。まず大まかな内容を把握し、次に細かい内容を理解するように人間の脳は出来ている。

従って、細かいところを間違ってしまう翻訳では大意を掴むことも要約することもできなくなってしまうのである。

WEB技術を使えば瞬時にして完璧な翻訳は必ず実現するものと思う。

基本ソフトをネット上に公開して各国の技術者がアイデアを出し合うような、Mクロの逆を行くLINUXのような21世紀型開発体制で是非とも実現し、「最後の障壁」を撤廃してほしいものである。

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2007年9月2日日曜日

vol.47 9252247 2001/01/09

数字ばかりのタイトルであるが、9to5to 24・7と読む。

9to5は朝9時から夕方5時まで。24・7は1日24時間、週7日間。 もうお分かりだろう。現在、WEBを持つ企業やWEBでビジネスを展開している企業の営業体制は、「247体制」で行われている。いわばコンビニと同じ体制である。

これに対して、官公庁はじめ既存企業の営業体制は「925体制」である。 こういった企業がWEBを運営すると一体いかなることになるかといえば自明のこと。会社の営業時間にしかWEBは稼動しない。土曜日曜は当然閉店、祝祭日も閉店、おまけに会社の催事のある日も閉店。時間外は当然閉店である。

こんなサイトは、夜行動物であるネットユーザーにとってはいつ行っても閉店している印象を与えるどころか、存在すら認知されていないということになる。

これではアクセス数も伸びるわけはないし、EC活動も行われるわけがない。ところが肝心の担当者はあせるどころか仕事が増えるのを歓迎していないため、これを活性化するような手立ては一切取らない。

ユーザーのアクセスログはおろか、メイルアドレスの管理すら興味がないようである。 一体、企業と言うのはいかなる目的でWEBを立ち上げているのだろうか? すでにひと頃の「WEB会社案内」ラッシュは終焉を迎え、EC主流のコンテンツに移行し、ユーザーの意見を吸収し商品に反映させるための手法としてeCRMやパーミッションマーケティングがクローズアップされているが、本気で取り組んでいる企業は数える程しかない。

99.9%の企業は「独断とご都合主義」によって商品政策を決定している。 いくら新しいマーケティング手法であっても、WEBコンテンツやプログラムのバックアップがなくては稼動しない。とりわけ、eCRMもパーミッションマーケティングもデータの重要さに目を向け、データからインフォメーションを抽出することに主眼がある。

最近では各ソフトメーカーも色々なCRMソフトを発売するようになってきたが、分析、解析に時間を費やし過ぎ、重要な戦略的「意思決定」に活用されているとはいいがたい。相変わらず、もっとも重要な意思決定は「独断とご都合主義」による非科学的方法によって行われているのである。

ではいかなる方法によって「247体制」を敷き、科学的マーケティングによってWEBを活用したビジネスを展開していくのか?

方法は3つある。 1つはASPとしてアウトソーシングする方法。 1つはePMを置き、プロジェクトとして遂行する方法。 1つは社員全員の意識改革を図り、「247体制」に対応できる「e企業体質」に切り替える方法。 段階的に実施していきながらでも、「e企業体質」を速やかに獲得することが21世紀のビジネス社会に生き残っていくための必要最低条件であろう。

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