2008年1月19日土曜日

Vol.63「YAHOO!BBのその後」

何の音沙汰もなかったYAHOO!BBからメイルが来た。(抜粋)

> お客様につきましては既にYahoo! BB高速ADSLモデムをお送りさせていただ
> いておりますが、実際にサービスのご利用が可能な状況になっていないお
> 客様にはご利用できる状態までご利用料金(Yahoo! BBサービス料金受信装
> 置レンタル料金、NTT様工事費用等)を頂くことはございません。
> また、11月より開通のお客様は、後日改めて「初回ご請求のお知らせ」の
> ご案内を差し上げます。
> Yahoo! BBでは皆様にご満足いただける高速インターネットサービスをご提
> 供できますよう、よりいっそうの努力をしてまいります。
> 今後ともYahoo! BBをよろしくお願い申し上げます。

内部連絡が悪いという話は聞いていたが、ここまでとはね・・・。

モデムを送ったけ れど、開通してるのかどうかさっぱり分からないということがこの文面からは看て取れる。現状が全く把握できていないわけだ。
多分、いきなり請求が来てクレームをつけた人がいたのだろうし、「そろそろ開通してますよね」、という探りとも読めるし、メイルの特質である簡潔明瞭さからは程遠い内容である。

孫くんが、「おい、てめーら、そろそろ金取れるんじゃねーか?」と早朝会議で言ったもんだから、「へい、そんじゃー聞いてみやしょうか?」とやっただけのなげやりなムードさえ感じられる。

開通しないのはみ~~んなNTTのせいにしてたけれど、実はNTTはちゃんと仕事はしてて、「YAHOO!さんから書類が回ってきてないんですよ」という解答。

あんまり遅いんでキャンセルしたらモデムが届いて、これにクレームをつけたらナシのつぶてでとか、既存のプロバイダをキャンセルしたり入りなおしたりといったトラブルが相次いで、これはもう立派な社会問題なのに911事件の陰に隠れてここまで 来たわけである。

まー、わたしとしては実効スピードで2.5Mbpsが常時接続で実現してるわけで文句はないので、先日、やっとOCNを解約した。でも、まさか突然回線ダウンってことはないよね、孫くん。

※ソフトバンクは、ケータイ会社になっても同じようなことをいまだにやっているところが可笑しい。

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2008年1月11日金曜日

Vol.62 「BBコンテンツの未来」

IT不況である。すべてのハード機器の製造体制がEMSに向かいSCMが徹底されて行く中での当然の帰結である。

メモリーチップは十分の一にまで下落し、昔通った道を歩む韓国メーカーをダンピング提訴する時代になった。

しかし、IT環境は不況でも何でもない。まだその緒についたところである。ADSL、無線LAN、光ファイバー、いわゆるBroad Bandネットワーク利用者はいまだに100万人未満、日本国民の1%にも満たない状況である。

ご存じのように「難行苦行の忍耐」の末わたしのオフィスにYAHOO!BBが繋がって1週間。どういう風にわたしのネット環境が変わり、それによってどんなことが可能になったかを検証することでネットの未来を俯瞰してみることにする。

1)メイルが24時間チェック可能
2)ネットサーフィンが24時間可能
3)送受信のストレスが軽減された

大きく以上の3点がBBインフラによってドラスティックに変わった点である。おや、音楽も聞けるし動画も楽しめるんじゃなかったの?とお思いのことであろう。これが実は違うのである。

そんなものはどうでもいいのである。もちろんBBコンテンツが未開発ということもあるのだろうが、わたしが思うに、それは「ネットコンテンツ」ではなく、「テレビ用コンテンツ」であると思う。

ネットコンテンツは、極めて個人的なニーズを満たしてくれるものでなければならない。テレビはより多くのニーズを満たすものでなければならない。

つまり、1to1と1to Masの違いが厳然としてあるのであり、PCとTVは全く別のツールなのである。(まー、センスと扇子くらいの違いはあるね→こういうことを言うからギャラが安いんです)

デジキューブがキオスク端末を使った音楽配信から撤退したが、そもそも音楽業界は1toMasマーケットの存在を前提にしているビジネスモデルであるわけだから、1to1マーケット向けコンテンツを配信することに矛盾がある。※1

動画についても多分これは同じで、PCで映画を楽しむことは決してないだろう。※2「今すぐ知りたい情報をいつでもどこにいても即時に取ってくるツール」、つまりBB インフラによってネットは「いらち」な方御用達のツールにますます近付いてきたというのが今のところの実感である。

※1音楽配信は1to1マーケット向け配信が常識となった今、これは外れている。

※2毎日のようにGYAOを観ている今、太字部分に関しては外れたというべきか。だが、TV代わりに観ているのではなく、DVD代わりに観ているところが違うと言い訳しておこう。

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2008年1月3日木曜日

Vol.61 「電子政府の実現がもたらすもの」

政府は2003年をめどに「電子政府」の実現に向けて動き出した。ネット経由で国への届け出や申請を行えるようにし、手数料はネットバンクや電子マネーで決済し、本人確認は電子署名を活用するということである。

国への申請事項というのは個人ではそう多くはないので、これが電子化されるというのはさして実感が湧かない。むしろ、並行して進めるべきは「電子自治体」の方であろう。

引越しを経験された方ならご存じのように各自治体の届け出フォーマットはバラバラである。これらをまず統一するところから取り組まなければ事は進まない。

さらに電話、電気、水道、ガス、NHKなどのインフラ系の届け出ときたら個別で、おまけに折角死に体の銀行にカンフル注射をするように銀行引き落としを勧めているの
が実態である。

これがネットバンクになれば当然決済は現在の200円、300円といった金額から10円になるわけだが、収入減の予測は立っているのだろうか?

さらにセキュリティの問題。電子署名で行うのはいいけれど、これまで縦割り行政のおかげで捕捉されなかった個人情報が一元管理できるようになってくるわけで、これは国民皆背番号制に繋がっていくわけだが、利便性と引き換えにこれを導入するというのでは、民間企業のセンスと同等である。

そしてもっとも大きな問題は、現在ネットはブロードバンド化に向けてひた走っているということ。ブロードバンド化とは「繋ぎっぱなし」のことである。

繋ぎっぱなしになったとき、セキュリティの問題から、やたら認証サイトが増えてくることが予測されるが、認証が同じであればトラッキングされる危険性がある。これを回避するためには多くの「印鑑」を用意しなければならなくなるのではないだろうか。

ブロードバンド化は、個人の匿名性を剥奪する。すべての国民の個人情報が補足された世界、それは民主的世界といえるのだろうか?

これから2年の間のネットの変貌を考えると、民主的な暮らしを維持するためにはネット参加拒否しか残されていないのかも知れないなとも思える。

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2007年12月16日日曜日

vol.60 「EMSの進行とSCM」

先日飲み屋で隣のいい歳したサラリーマンと話したのだが、「アメリカのファーストアタックは何日でしょうね?」というわたしの問いかけに、そのサラリーマンは「戦争にはならないでしょう、話し合いで解決すべきですよ」と、のたまった。何ともナイーブな意見である。「わたしは次の新月あたりが濃厚でしょう、13日なんて覚えやすいしね」といってたのだが、ついにやりましたね。いよいよ21世紀のはじまり
です。

EMS(Electronic Manufacturing Service)が深く静かに進行中である。

自動車、機械、家電、コンピュータなどの設計組み立てはすでにメーカーの手を離れEMSメーカーに委ねられている。今やメーカーはモノづくり機能を放棄し、マーケティングと販売のみを行うだけ。これはアメリカの話ではなく、日本の話である。

すでにアメリカ、カナダ等のメーカーが参入を果たし、この傾向は強まるばかり。モノづくりが価格競争に陥り、シンガポール、台湾、韓国、中国へと工場移転を繰り返し、ついにモノづくりを放棄せざるを得ないところにまで追い込まれてしまったわけである。

そしてEMSメーカーが推進するのがSCM(Supply Chain Management)。モノづくりの基本である部品供給体制の国際規模での再構築である。今や部品はWeb Siteにおいて世界中から調達される。

製品価格の80%が部品代であるという儲からない産業になってしまった以上、その部品代を安く調達することでしかメーカーとして生き残ることは出来なくなってきたわけである。

しかし、自社製品の生産台数には限りがある。従って部品調達規模にも限りがある。従って製品価格にも限界がある、つまりもうこれ以上の価格抑制は困難である、という図式の中にEMSメーカーが参入してきたわけである。

量産の一切をお引き受けいたします。試作品もおつくりいたします。ただし、他社製品もつくりますよ。というわけである。

機械部品はメーカーが異なっても60%は共通部品が使用される。ここに目をつけて、EMSメーカーは多少の色づけをして各メーカーに納品する。今やメーカーとは名ばかりのペーパーカンパニー、それが今のメーカーの実態である。

さて、こうなったら各メーカーは一体何で差別化して製品を商品として市場に出すのかといえば「ブランド」でしかない。各メーカーのブランド=イメージでしか差別化は出来なくなってくる。

であるがゆえにCRM(Customer Relationship Management)に躍起となならざるをえないという図式が浮かび上がってくるわけである。

しかし、これでは部品の国際的調達、共有化のせいで発生するであろう「世界同時欠陥部品問題」にはどう対応するのだろう?狂牛病問題と同じ構図がそこにありはしないか?ニムダウィルスと同じ構図がありはしないか?さらにはブロードバンドインフラの問題、そしてさらには世界同時不況問題・・・・。

アメリカ同時テロの発生は、リアルとサイバーの両方にリンクする問題の端緒を示しているように思える。

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2007年12月9日日曜日

vol.59 「W32Nimda」

いいネーミングである。オシャレである。インフラの破戒。これがテロでなくてなんであろうか。MS狙い撃ちというのがお見事。わたしなんか、イスラエルのパレスチナ解放戦線みたく「ばんざーい!」と叫んでしまいそうになってくる。

なぜって?90%がWIN、MSN、IEなんておかしいでしょう?ネット社会って民主的であるはずなのに、社会主義国みたいにみんなが同じソフトを使うなんて。

こんなウイルスなら本当に大歓迎。インフラ=MSなんてことをやってるからこういうことになる。バイパスのない高速道路みたいなもんで、一旦感染すると一気に全滅の危険すらある。リスクヘッジなしで構築されたネットワークなんてちょろいもんだ。

WINでなければソフトにあらず、という時代に警鐘を鳴らしてくれるこのウイルスに感謝しなければ・・・。

逆から読んだら、「第3次大戦のための政府」。ほんとにオタッキーなネーミングだ。これを作ったのはアメリカ人じゃないな、母国語を英語に持つ国民じゃないな。

英語の国にはアナグラムという文化があるから、こんな単純なネーミングはしない。アナグラムというのは文字を並べ替えて別の言葉になるというやつだが、ニムダなんて読むよりウィンダムと読んで、「WINDAM=WINDOWSの世界」をぶちこわすウイルスと理解したいね。

わたしはといえばYAHOO!BB遅延のおかげで、現在、i-mac,Mac OS,NET SCAPE,Eudora ProでOCNの2Kbpsのナローバンドだもんね、見事なバイパスだ。ありがとう孫さん!!ありがとうNTT東日本!!

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2007年12月2日日曜日

vol.58 「ユビキタスアクセス2005」

2005年・・・
ブロードバンド普及率60%、PC普及率60%、PDA普及率60%、携帯電話普及率80%、デジタルテレビ普及率40%、Lモード普及率40%
ユビキタスアクセスが実現した・・・

2005年・・・
ユビキタスアクセスが実現したが、依然として、コンテンツ不足は続いていた人々は、インターネットに飽きてしまい他の楽しみを探していた・・・

2005年・・・
人々がインターネットに飽きた理由は、自分に必要な情報を得るよりも自分の情報を盗まれることの方が多いということに気づいたからだった・・・

2005年・・・
人々は、24時間いつでもどこでも自分に必要な情報を手に入れることができたが、その情報は、ネット上にある情報に限定されているということに気づいたのだった・・・

2005年・・・
人々は、インターネットが要求する情報やリンクや接続や参加に興味をなくしてしまった
インターネットは、政府の人民統治政策の一環として大多数の生真面目な国民に支持されるようになっていた・・・

2005年・・・
インターネットに飽きた人々は衣食住の基本に立ち返って自分に必要なものを探し始めた仕事の仕方や暮らし方について生の情報を自分の足で探し、口コミでその情報を伝えた・・・

2005年・・・
このようなデジタル化されない情報には高い情報価値が生まれ、手書きサイトとして公開されるようになったがそのサイトを見るには複数の紹介者が必要になる「一見さんお断り」サイトだった・・・

2005年・・・
いつでもどこでもだれでもアクセスできるサイトはテレビのようにつまらなくなり、「一見さんお断り」サイトは会員制高級サイトへと変わり、人々は高級会員サイトの会員になることにあこがれるのだった・・・

つまり、ネットも量販店と専門店のように、ファミレスと高級レストランのように、エコノミーとファーストクラスのように、大衆車と高級車のようにクラスター化が進行したのだった・・・

2005年・・・
ネット社会に階級が生まれる
現実の社会がそうであるように・・・


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番外編
「いい加減にしろよ!YAHOO!BB」

いよいよブロードバンド時代到来!常時接続8Mbpsを実現!電話代はもういらない!8月1日サービス開始!

うたい文句に乗せられて、ISDNをアナログに戻し、予約申し込み、本申し込みとスムーズにクリア。ジャパンネットバンクに口座引落の用意をし、さー、工事日程決定メイルを待つだけ・・・。これでわたしもブロードバンド通信を楽しめる!と思っていた矢先、いきなりのドタキャン。

おいおい、孫さんまたかよ!!
どうしてくれるんだ、1ヶ月延期なんて平気で言ってくれるけれど、もうプロバイダーなんて不要とばかり解約してしまったというのに・・・・。

こうして、突然ネット原始時代を迎えることになるとは思わなかった・・・・。9月までメイル無き日々だ。

本当に9月からサービスは始まるんでしょうね、孫さん。
というわけで、皆さん8月は電話連絡でお願いいたします。
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2007年11月25日日曜日

vol.57 「決済手数料10円」

ネット銀行のジャパンネットバンクと携帯電話向けにCDなどを販売するECサイトを運営するサイバーウイングとが提携、i-mode用コンテンツに限定してだが決済手数料10円という価格を実現した。1回の電話代に相当する額である。

現在、ECサイトの決済はカード、振込み、振り替え、代引きなどで行われているが、セキュリティの問題もさることながら、手数料の高さにも問題がある。銀行決済の場合、2000円程度のCD代金の決済に360円もかかり、商品の1割以上にも相当することになる。これを、同じ銀行間で行う場合にかかる手数料100円をはるかに下回る10円に設定した訳は、後発ネットバンクの機先を制し新規顧客を囲い込むというジャパンネットバンクの戦略である。

i-modeからCDを購入しようという中高生の経済的負担を軽減するとともに、将来の顧客としてあらかじめ取りこんでしまおうというわけである。

理由はどうあれ、ぜひともこの仕組みはWeb上のECサイトにも導入してほしいものである。ECサイトでの実購買率の伸び悩みの原因には大きく3つがあるといわれている。
1つ目は会員登録の面倒くささ
2つ目はアドバイスのなさ
3つ目は決済、配送料の高額さ

の3つであるが、今回の発表は少なくともこのうちの1つは解決することになりそうである。決済料10円というのが、ネット時代の決済料のスタンダードとなっていくことを期待したいものである。

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