2007年12月16日日曜日

vol.60 「EMSの進行とSCM」

先日飲み屋で隣のいい歳したサラリーマンと話したのだが、「アメリカのファーストアタックは何日でしょうね?」というわたしの問いかけに、そのサラリーマンは「戦争にはならないでしょう、話し合いで解決すべきですよ」と、のたまった。何ともナイーブな意見である。「わたしは次の新月あたりが濃厚でしょう、13日なんて覚えやすいしね」といってたのだが、ついにやりましたね。いよいよ21世紀のはじまり
です。

EMS(Electronic Manufacturing Service)が深く静かに進行中である。

自動車、機械、家電、コンピュータなどの設計組み立てはすでにメーカーの手を離れEMSメーカーに委ねられている。今やメーカーはモノづくり機能を放棄し、マーケティングと販売のみを行うだけ。これはアメリカの話ではなく、日本の話である。

すでにアメリカ、カナダ等のメーカーが参入を果たし、この傾向は強まるばかり。モノづくりが価格競争に陥り、シンガポール、台湾、韓国、中国へと工場移転を繰り返し、ついにモノづくりを放棄せざるを得ないところにまで追い込まれてしまったわけである。

そしてEMSメーカーが推進するのがSCM(Supply Chain Management)。モノづくりの基本である部品供給体制の国際規模での再構築である。今や部品はWeb Siteにおいて世界中から調達される。

製品価格の80%が部品代であるという儲からない産業になってしまった以上、その部品代を安く調達することでしかメーカーとして生き残ることは出来なくなってきたわけである。

しかし、自社製品の生産台数には限りがある。従って部品調達規模にも限りがある。従って製品価格にも限界がある、つまりもうこれ以上の価格抑制は困難である、という図式の中にEMSメーカーが参入してきたわけである。

量産の一切をお引き受けいたします。試作品もおつくりいたします。ただし、他社製品もつくりますよ。というわけである。

機械部品はメーカーが異なっても60%は共通部品が使用される。ここに目をつけて、EMSメーカーは多少の色づけをして各メーカーに納品する。今やメーカーとは名ばかりのペーパーカンパニー、それが今のメーカーの実態である。

さて、こうなったら各メーカーは一体何で差別化して製品を商品として市場に出すのかといえば「ブランド」でしかない。各メーカーのブランド=イメージでしか差別化は出来なくなってくる。

であるがゆえにCRM(Customer Relationship Management)に躍起となならざるをえないという図式が浮かび上がってくるわけである。

しかし、これでは部品の国際的調達、共有化のせいで発生するであろう「世界同時欠陥部品問題」にはどう対応するのだろう?狂牛病問題と同じ構図がそこにありはしないか?ニムダウィルスと同じ構図がありはしないか?さらにはブロードバンドインフラの問題、そしてさらには世界同時不況問題・・・・。

アメリカ同時テロの発生は、リアルとサイバーの両方にリンクする問題の端緒を示しているように思える。

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