2007年7月14日土曜日

vol.41 デジタルテレビのインタラクション 2000/11/29

デジタルテレビ放送開始を前にして各社ともコンテンツの充実に余念がない。

が、ここでわたしは断言しておく。デジタルテレビはこける、と。
なぜなら、各社とも売り物になっているのが「インタラクション」であるからだ。つまり、双方向テレビ放送。

この発想自体の矛盾を解く鍵は、こう言い換えてみればすぐに分かる。「受信専用パソコン」。
そんなものは売り物にならないことはすぐに気付くのに、双方向テレビは走り出してしまった。何故か?

デジタル家電のセンター機能を担わんがためである。そしてまたデジタル家電もまたこける。
家電のネットワーク。これもこける。理由は単純、冷蔵庫の中身はドアを開けて見れば分かるし、必要な材料は買いに行った方が早いし、電子レンジでできる料理など料理とは呼べないし、料理のできない、したくない、する時間のない人は外食ですますことができるからである。

そんな手間暇かけて、ネットワーク家電に付き合うよりも、さっさと自分の手と足で片付けてしまえるのである。第一、ネットワーク化しなければ用が足りない広さの家に誰が住んでいるのか?

もっと根本的な問題は、パソコンは左脳を、テレビは右脳を使うということだろう。パソコンにインタラクションが付き物なのは、無限にQAを繰り返していく必要があるからであり、能動的にツールとして活用しようという脳の働きがあるからである。

これに対して、テレビを観るときには脳は受動的に情報を受け入れようとしている。そこへ持ってきて番組に登場の女優の付帯情報がハイパーリンクで見られるとしても、ドラマの感動は、番組の流れは一体どうなるんだ?

テレビ画面を活用してゲームをすることが出来るが、あれはあくまでもパソコン画面の代わりに使っているだけのこと。同じ画面を使うからと言って「パソコン用コンテンツ」を流せると思うところが大きな間違いなのである。

まー、パソコンもテレビもゲームも糞味噌にしてしまってこけると分かった道へ消費者を誘導できると思っている放送や家電業界というのはおめでたい。
放送開始の前に、もっとインタラクションを活用して消費者情報を収集することが先決だろう。

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