2007年5月27日日曜日

vol.28 今C2Cが面白い 2000/10/24

ナップスター論争に端を発したCustomer to Customer SITEがだんだん面白くなってきた。

WEB上のサイトに自分の持っているCDをアップロードし、その代わりに自分の聴きたい曲をダウンロードできるということから、学生を中心に人気沸騰。ついにアメリカレコード協会がナップスターを告訴、現在係争中である。

ナップスターはMP3という音楽モニターソフトによってWEBから楽曲をダウンロードしてくるわけだが、さらに、この先を行くソフトがグヌーテラである。

グヌーテラというソフトをダウンロードしてPCに取り込んでおくと、自分の聴きたい楽曲をそのソフトが探すべくPC同士の通信を開始。自動的に相手のPCからダウンロードしてしまうというソフトである。

このソフトはたった3時間だけWEB上で公開されたが、これをダウンロードしたごくごく少数の人々を通じて全米に配付されるにいたった。

こうなると「音楽著作権」で守られるべきアーティストの利益はいかなることになるのか、はたまた、そのサイトはいかなるビジネスモデルになるのか、ということを考えてしまうのがあさましい俗人の性。

しかし、このソフトの開発者は、そんな心配など歯牙にもかける様子もない。著作権などというものを否定し、いい楽曲は心あるスポンサーによって守られるべきであると、ルネサンスの頃のメディチ家のようなことをのたまう。

我が国のインターネットがB2BやB2Cのようなビジネスサイトに偏向していく中で、こういったインターネット草創期の頃の発想が堂々とまかり通っていることにネット文化を生み出した国と、ご都合主義で輸入した国との差をまざまざと見る思いがする。

C2BですらB側に取り込まれ、C2B2Cという合理主義に変質しようとしている我が国のネット環境にあって、ベンチャースピリットの介在する余地はないのかも知れない。

と、思っていたら、先日突然e-mailが送りつけられてきた。いわく、「WEBにあなたの小説を掲載してください」。わたしは自分の小説をWEBに載せて、WEB WRITER宣言を3年前にして以来、WEBで小説を発表してきた。

ところが、このサイトでは「小説をpdfでダウンロードして読め、気に入れば購入予約し、それが100人になったら出版する」というのだ。

この発想は、わたしの友人がやっているCD出版サイトと同じ発想なのだが、WEBを出版という超アナログな行為の「ツール」にしようというところが実に面白い。WEBはそれですべてが完結するわけではなく、「何かをするためのツール」であることを再確認させられる出来事であり、一条の光明を感じさせる出来事であった。

早速、「夢のある小説」を1本アップしたことは言うまでもない。
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