2007年5月5日土曜日

vol.24 PALMの逆襲 2000/09/10

いよいよi-modeが消滅し、PALMの時代がやってくるようである。
NTT DocomoとPALMの提携はそれが現実のものになることを裏付ける出来事である。

PALMというのは、読んで字のごとく手のひらサイズのPDA(携帯情報端末)である。我が国ではこの分野はシャープのザウルスが先行しており、独自のマーケットを形成している。

ここへきてどうしてまたPDAなのか?ということなのだが、まずはi-mode方式がグローバルスタンダードな技術として認知されなかったという背景がある。

i-modeは発売18ヶ月にして1000万台突破という驚異的な普及を見せた。そしてこの余勢をかって韓国、中国などアジアの国々を中心に技術供与することでヘゲモニーを握ろうと画策。しかし、ヨーロッパではWcdma方式、北米ではcdma one方式がすでにグローバルスタンダードなっていたのである。

NTT Docomoはすでに来年5月から3年間で1兆円を投資してWcdma方式を採用することを表明しており、アンチDocomoグループであるKDDIはcdma2000方式を採用する。来年、欧米の次世代システムの対決が我が国で行われることになる。

i-modeは普及台数こそPCに並ぶが、データ通信収入は「音声通信」収入の1%に過ぎない。電車の中や喫茶店でやたらカチカチやっている姿を見かけるが、実際のところはそんなものなのである。

キーボードに慣れたPCユーザーからすると、ボタンを操作してe-mailを送るというのは大変な手間だし、表示画面の小ささは情報量を極端に制限する。i-modeは、PCユーザーではないネットユーザーを開拓するという目的は十分に果たしたわけだが、所詮、電話の「オマケ機能」しか持てなかったということなのだろう。

i-modeがブームになっていた頃、アメリカではノートブックをさらにコンパクトにしてデータ通信機能に徹したものとしてPALMが爆発的人気を博していた。そして今、i-modeの先行き不安に照準をあわせるように遅れて上陸。しかもNTT Docomoとの提携である。

Docomoにしてみれば、i-modeで果たせなかったデータ通信収入の飛躍的増大を狙ってのことだろうが、度重なるトラブルを見れば分かる通り、i-modeの通信インフラはお粗末そのもの。

いよいよ来年、電話屋がネット屋に変身できるかどうかの正念場を迎えることになる。

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